こんばんは!
さて今回はHadrien Feraudがよく使う「Melodic Minor Scale」とはについて。
Melodic Minor Scaleとはmajor scaleの3度を半音下げたもの。
C Melodic Minor Scaleで言うと以下の感じ
このスケールはすごく万能で、色んなところに使えるんです。
前回の記事の○m7、○7alt、○7(#11)、○m7(b5)辺りで使えます。
Cを基準にして考えると、例えばCm7は大体はC D0rian Scaleを使うのだけど、C Melodic Minor Scaleも使えます。
C7altの場合,これはC7(#9),C7(b13),C7(b9)も一括してC7altと解釈できるのでC Altered Scaleが使えますが、これは使ってる音がC# Melodic Minor Scaleと同じです。つまり
C Altered Scale = C# Melodic Minor Scale
と言うこと。
次にC7(#11)の場合、これは大体C Lydian 7th Scaleを使うのですが、これまた音列がG Melodic Minor Scaleと同じです。つまり
C Lydian 7th Scale = G Melodic Minor Scale
ということ。
ここで一つ留意しとかなければならないことがあります。それはHadrienは”C7”とだけ表記されている場合に
C# Melodic Minor Scaleを使うのかG Melodic Minor Scaleを使い分けています。
簡単に言うと、ドミナント進行する時はC7altと解釈してC# Melodic Minor Scaleを使い、そうでない場合(Special Funcion Dominantの時)はG Melodic Minor Scaleを使ってます。
前回の記事のCherokeeを例にして言うと、コード進行が
BbM7 Fm7 Bb7 EbM7 Ab7 Bb6 C7 Cm7 G7 Cm7 F7
で、3つ目のBb7はEbM7に対してドミナント進行をしているのでBb7altと解釈しB Melodic Minor Scaleを使用。
5つ目と7つ目はドミナント進行していないのでそれぞれAb7(#11),C7(#11)と解釈してEb Melodic Minor ScaleとG Melodic Minor Scaleを使用。
9つ目と11つ目のG7,F7はそれぞれCm7,BbM7に対するドミナント進行をしているのでG7alt,F7altと解釈してG# Melodic Minor ScaleとF# Melodic Minor Scaleを使用。
あとはHadrienのPunk Jazz (comp by Jaco Pastorius , from his album “burn in the80’s”)のsoloを分析すると…
この曲のソロのコード進行は
|E7 |Bb7 |C7 |C7 |D7 |Ab (alt )|C7 |C7 |
です。(ただHadrienのバージョンは拍子が4/4/4/3なんですが…)
この進行において、アドリアンは以下のように解釈してソロをとっています。
E7→E7(#11) と見てB melodic minor scale
Bb7→Bb(#11)と見てF melodic minor scale
C7→C7(#11)と見てG melodic minor scale
D7 →D7(#11)と見てA melodic minor scale
Ab(alt)→A melodic minor scale
実際のところ、全てを#11と解釈せずそのまま○7と見てMixolydian Scaleを使ってる場所もあるのですが。
例えばC7で考えて、C Mixolydian ScaleはG Dorian Scaleと使ってる音は同じです。
アドリアンのフレーズは手癖フレーズも案外多いので、Dorian ScaleもMelodic Minor Scaleもほぼ同じ運指、フレーズを使ってます(この2つのスケールは7thがフラットしてるかナチュラルかの違いだけ)。
これでざっくり○7の処理について解説しました(ただMelodic Minor Scaleじゃないスケールも使う時はあるんですが、それは後々…)
あとはCm7(b5)。これはC∅7と同じですが、大体このコードにはC Locrian Scaleを使うんですが、これに短3度上のMelodic Minor Scale、つまりEb Melodic Minor Scaleを使うとC Locrian Natural 2 Scaleというスケールになります。
A Locrian Natural 2 だと下の感じ
Locrian Scaleの2番目の音を半音上げてナチュラルにしたスケール。これも○m7(b5)には使用可能なんですね。
例えばDm7(b5)-G7(b9)-Cm7 みたいな進行があったら、
Dm7(b5)でF Melodic Minor Scaleを使用
G7(b9)でG# Melodic Minor Scaleを使用
Cm7でC Melodic Minor Scaleを使用
みたくなります。
こう色々書いたんですが、上のが理解できたところでHadrienみたく超速く正確に弾くには根気よく練習が必要なんですが…
でも手癖というか、melodic minor scaleを使ったフレーズ(Lick)を1つ覚えれば、移調すれば○m7、○7alt、○7(#11)、○m7(b5)どれでも使えるので超便利です。
要は何種類かのMelodis Minor Scaleのフレーズを持っておいて、それを速く弾けるようにして、実際のコードに流用すればアドリアンみたいな感じになります。
次回からは実際のTranscriptionからHadrien Feraudのフレーズについて見ていきましょう。
それでは(・∀・)ノシ
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