Hadrien Feraud Solo 分析 ( Invitation Part 2 最終回 )

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どうもこんにちは。最近は池袋に週に6日くらい居ます。

近々Hadrien Feraudコンセプト動画(英語)を作ろうと考え中です。日本語はその次に作ってみようかな。

今回の記事は前回の記事より長さが倍くらいあります。頑張ってついてきて下さい!

 

今回は前回の続き、InvitationのSoloの分析です。

今回のポイントは

“曲頭に戻る時はドミナント7thを配置する”

“無調和を作り出すためにランダムにデタラメに弾く”

です。

三枚目の採譜を解説していきます。

初めの1、2小節目はBb7でEbm7に向けてドミナント進行しているので、Bbaltと解釈してB Melodic Minor Scaleを使用しています。

3,4小節目のEbm7はEb Melodic Minor Scaleを使用。

5小節目のEbm7は前半1,2拍間はEb Dorian Scaleを使っています(b7であるDbの音を使っているので)

後半の3,4拍目はEb Melodic Minor Scaleを使っています(ナチュラル7であるDの音を使っています)

続く6小節目では前半1,2拍目はEb Melodic Minor Scaleを、後半からはB7を先行して考えています。

7-10小節間はB7(#11)ですのでF# Melodic Minor Scaleを使用。

11-12小節目のF7(b9)はBb7(b9)へドミナント進行していると捉え、F7altと見てF# Melodic Minor Scaleを使用。

13-14小節目のBb7(b9)はEbmM7へドミナント進行しているのでBb7altとみてB Melodic Minor Scaleを使用。

15-16小節目はEb Melodic Minor Scaleを使用しています。

17-18小節目は本来EbmM7なのですが、アドリアンは次に来る曲頭のCm7に向けてG7altを想定して弾いています(この曲頭のコードに向けてドミナント7thを想定して弾くのはアドリアンが頻繁に行うソロ解釈で、他の曲のソロでも多く見受けられます。キーポイントです)

よってG# Melodic Minor Scaleを使用しています。

 

ここからが少し難解というか、ややこしい所に差し掛かります。一言でいうと、

“19-30小節目まではコート進行に反してデタラメにランダムに弾いている”

です。(アドリアンを解釈する上での重要なポイントです)

「え、そんなことあるの?」と思われる方もいるかと思いますが、実はアドリアンは他の曲のソロでもよくやっているのを見受けられます。

なぜデタラメに、そしてランダムに弾いているのかというと、ランダムに弾くことによって一時的に無調和を奏でています。

アドリアンはソロコーラスが長くなると、後半の方でこのランダム弾きをよくやります。多分そのまま弾いているとマンネリ化してくるというか、つまらないので弾いているのだと思います。

例えば下の動画の5:36から6:00までの部分をを例にすると、、、

曲はfootprints (comp by Wayne Shoter)です。一緒に弾いているのはJunior Braguinhaです。

Junior Braguinhaが嬉しそうに(?)声を上げてます笑

こんなエグいフレーズ弾かれたら誰でも声出しちゃいますね。。。

あともう1つ例に出すと、、

下の動画(曲はMr.P.C.)の4:25から4:36の間もランダムです。

かっこいいですね、、

自分もたまにセッションとかライブでやるんですが、使うタイミングもあってか中々うまくいかない、、

こういう複雑な指の運指の練習には下みたいな動画が参考になります。

2:35-2:57間です。

速すぎて参考にならないですか?笑 そんな時にスロー再生機能です!僕はこれをゆっくりで弾いて基礎練としてやっています(もちろんこんな速さで弾けない)。

一応採譜したものも載せておきます。TABの運指番号は正しいですが、音を8分音符で書いてるのは適当です。なので動画で確認しながら弾いてみてください。

 

 

少し脱線しましたが、話は戻ってinvitationへ。

譜面の20-22小節はまだC Melodic Minor Scaleで弾いているのですが、その後の30小節目まで(Bb7に入るまで)はランダムゾーンです。動画で確認してみてください。

31-34小節間のBb7はF Melodic Minorで弾いています。

35小節目からのEbm7ではEb Melodic Minor Scaleを使用。

次の譜面に移ります。

この譜面の1-4小節間のEbm7はE Melodic Minorを使用。

5-6小節のAb7はDb7に向けてのドミナントなのでA Melodic Minor Scaleを使用。

7-10小節のDb7はSpecial Function DominantなのでDb7(#11)と解釈し、Ab Melodic Minor Scaleを使用しています。(10小節目の3拍目からは次のC#m7を先行して捉えC# Melodic Minor Scaleを使っています)

11-12小節目はC#m7よりC# Melodic Minor Scaleを使用。(12小節目の3,4拍目はF#7が先行して考え、これはBm7のドミナントなのでG Melodic Minor Scaleを使用)

続く13-14小節は上記よりG Melodic Minor Scaleを使用(1音D#の音を使っていて、これはb13の音でG Melodic Minor Scaleの音から外れていますが、ここはちょっと分かりません…)

15-17小節目はBm7で、ここではB Dorian Scaleを使用。

18-20小節目のBm7では、ブルーノートであるb5の音(ここではFの音)を強調して使って、色付けしてます。

このb5の音を使ってる時のアドリアンの顔とアースキンの顔が中々いいっすね。(ちょっとシュール)

21-22小節目のE7は、Ebの音を経過音でなく使っているので、何を想定して弾いているか分からなかったです…

23-26小節目のAm7ではA Melodic Minor Scaleを使用。

27小節目のAm7では経過音での使用でなくナチュラル3であるDbの音を使っているので、ここもアナライズ出来てません..><

28小節目のAm7は3拍目から次のD7が先行して考え、Gm7へドミナント進行しているのでD7altと考えD# Melodic Minor Scaleを使用しています。

29小節目のD7は上記よりD7altでD# Melodic Minor Scaleを使用。30小節目のD7はDから見てナチュラル13の音(B ナチュラル)を使っているので、Dのコンディミを使っていると推測出来ますが、その後にb13であるBbの音を使っていて、これはコンディミには含まれないので、後半はオルタードスケールを使っているのかもしれません。

31,32小節目のGm7はG Melodic Minor Scaleを使用。

33小節目からはG Dorian Scaleですが、後半からはクロマチック下降してます(運指が難しいです。動画で確認推奨します)

35小節目の3,4拍目から38小節まではEb7(#11)でBb Melodic Minor Scaleを使用。

39小節目のD7altはスケール的には何を使っているか分かりませんでした…

 

 

ラスト5枚目いきましょう!!皆さん着いて来れてますか?

1小節目は本来D7altですが、G7altを先行して弾いています。よってG# Melodic Minor Scale。

2-3小節もそのままG# Melodic Minor Scaleです。

7小節目のCm7からは右手の親指、人差し指、中指を使って超高速で連符を弾くテクニックです。こういうマルチフィンガー奏法はフランス人ベーシストのdominique di piazzaやコルトレーンカルテットでベースを弾いていたGimmy Garrisonの息子であるmatthew garrisonあたりが先駆者なので、そちらの人たちを見てみるといいかもしれません(速すぎてヤバイですが…)

dominique di piazza。アドリアンの師匠と言われています。

matthew garrison。最近Ravi Coltraneとjack dejohnetteのトリオをやっていますが、マジ宇宙です。

 

 

12,13小節目のCm7ではb5の音を使ってブルージーに。

14,15小節はF7ですが、Cm7を続行して捉えてC Blue Note Scaleを使用。

16-19小節はBb7で、ここではずっとBb7(#11)と解釈しF Melodic Minor Scaleを使用。

20-23小節はEb Dorian Scaleを使用。(22小節目の一発目の音はD ナチュラルでEb Melodic Minorですが)

24-28小節目まではB7(#11)とF7altなので一貫してF# Melodic Minor Scaleを使用。

29小節目はF7altですが、次のBb7altを先行して考えB Melodic Minor Scaleを使用。そこから30,31小節目もB Melodic Minor Scaleで、ここもマルチフィンガー奏法で三連符でスケール上を高速上下降しています。

だいたいアドリアンはソロの終盤でこのマルチフィンガー奏法をよく使います(これもポイント)

32小節目のEbmM7はEb Melodic Minor Scaleを使用、33-35はG7altを想定して、G# Melodic Minor Scaleを使用。ここまでもマルチフィンガー奏法です。

そして36小節目のCm7で最低音のCを弾いてソロは終了します。

 

 

お疲れ様でした!!中々色々なことをアドリアンはやっていますが、1つずつ練習していけば確実に上手くなれます。そのためには根気よく練習しましょう!!

アドリアンも過去に雑誌”Jazz Bass Player”でのインタビューで「周りに上手いやつがいて悔しかったら、練習すればいいだけの話さ」って言っています。まさに努力の結晶ではないでしょうか。アドリアンは天才ではなく超努力家の秀才なんだと思います。

さあ練習です!!!

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